去る1月14日にジャカルタ中心部で爆弾テロ事件が起き、実行犯を含み8名が無くなり25名が負傷されましたことに、心から哀悼の意を申し上げます。

このような痛ましい事件はありましたが、土日を挟んでわずか4日後の1月18日現在、ジャカルタ市民の生活は平常に戻っています。その事実も踏まえて、インドネシアの治安上の危険度に大きな変化はないと思われ、今すぐに皆様のビジネスの障害になり得るものではないと考えます。
過激派ISの犯行ということが言われており、これについては過去も未遂事件も含め逮捕者も多数出ている状況であって、冷静に考えれば危険度という点においては、あまり変わらないと考えて良いという理由です。

一方で、今回の事件で浮き彫りになった課題は、正しい情報が何であるのか見極めるのが困難であることです。すでに複数のメディアが誤った情報で混乱を招いたとして当局から注意を受けていますが、当日の現地報道は複数の地点での同時多発テロであるかのような報道や、銃器をもった実行犯がジャカルタ市中心部を逃亡・潜伏しているといった報道、誤った死亡者数や負傷者数の報道などが相次いでおり、正に「混乱」の状況でした。メディアが自身で確証をとらず、SNSなどで市民から得た情報をそのまま報道してしまっていることや、警察などの正式な発表が遅いことが大きな原因であると思われます。

さらに、うがった見方も出ています。
事件当日の朝にはアメリカ大使館からサリナデパートという具体的場所を挙げて危険情報が出されており、事件発生時に珍しく当局の対応部隊が既に現場にいたことに加え、アメリカ企業・フリーポートが採掘しているパプア州の世界最大の金鉱山の操業許可更新に関する手続きの期限日が事件当日でした。さらに使用された爆弾は、フィリピンから持ち込まれたとは言われていますが、2002年のバリ島や2009年のマリオットホテルでの事件とは異なって、爆発力が低いタイプの手榴弾で、わざわざ爆発力を抑えているようにも見えます。これらのことから、フリーポートの権益に絡む政治的工作であって、本当はテロではないという見方も出ているのです。

いずれにしても、日系企業の皆様は、これまでと同様に危険情報に注意を払いながら、そして正しい情報をより見極めならが、ビジネスを継続されていくのが宜しいかと思います。