2015年6月29日の2015年16号労働大臣規定で、外国人労働許可の条件が変更されていましたが、それからわずか4カ月で更なる変更が行われました。

先の大臣規定の変更として10月23日に制定された2015年35号労働大臣規定がそれになります。

大きな変更として、16号大臣規定第3条で規定され、一般的に10対1ルールと言われていた、外国人を1人雇用するにあたり10人のインドネシア人を雇用していなければならないとされていた規定が削除されました。

表向きはインドネシア人従業員の数に制限されずに外国人を雇用できることになったわけで、大幅な規制緩和になります。
本当に必要な企業にとっては、天の恵みともいえるような改善です。
一方で中国が主導して建設される予定の高速鉄道などでは、大量の中国人がやってくるだけで、インドネシア人の雇用に貢献しないことが懸念されるなど、見方によっては改悪とも言えそうです。
インドネシアにとっては諸刃の剣ということになり、運用面で何らかのさじ加減が行われそうな予感がします。

同時にもう1つ大きな変更がありました。
16号規定では国外居住の取締役と監査役に対しても労働許可(IMTA)の取得を義務付けになり、外資企業から大きな批判を受けていましたが、35号規定ではこれを免除する形に変更されました。

16号規定ができる前の状態に戻されたのですが、居住していない人間に労働許可取得を求めるというのは国際的にもナンセンスな政策で、IMTAの手続き毎に支払いを求められる技術能力開発基金を集めたいだけということさえ囁かれていたので、変更というよりは当然の修正であったという方が合っているイメージです。

それから外国人には有難いインドネシア語能力試験義務付けの撤廃が、やはり16号規定で決定されていました。
しかし地元メディアの報道によると、インドネシア国内から批判の声が上がっており、より上位の法令違反であるという意見もあって、試験が復活しそうな雰囲気があります。
上位法が有効ということであれば、いつの間にか運用面だけで変更されてしまうことが予想され、今後の注意が必要なところです。

16号規定、35号規定ともに、先の3点の他にも様々な変更を含んでいます。
いずれも景気刺激のために発行されている経済政策パッケージの一環として、大統領筋の主導で行われていることのようで、景気の動向のほか、政権基盤の状態によって変更される短命な規定になりそうです。